碇シンジは、生きて帰ってきた。
埃まみれになりボロボロになった体であるが。
ジャッカーの秘密基地へ行ったときと同じようにとぼとぼと歩く14歳の少年、彼はこの年にして地上で比類することができないほどを手にしてしまった。
そんな彼だが、今は生き長らえたことにただただ感謝していた。
アスカに渡された剣を杖代わりにして。
またも、自殺志願者のような台詞が少年の口からこぼれ落ちる。

「結局、アスカに関わるとろくな目に遭わないんだよなぁ。」

口から出てくる言葉は、やはりこんな目に遭わせたきっかけを作った張本人への
愚痴であった。

と、そんな彼を呼ぶ声がする。

「や、シンジ君。そんな疲れた顔してどうしたの。具合でも悪いの?」

「えぇ、まぁいつものことですがアスカにはめられて・・・」

「なるほどぉ、でもそんなことよりも。どう、このトマト色と言い艶と言い最高
でしょう。」

シンジは思った・・・・あぁまた始まった。
翔一のトマト自慢を10分ほど聞かされたシンジは彼の店の中に連れ込まれた。
一度断ったのだが・・・・強引に連れ込まれたのだった。

「と言うわけで、シンジ君」

「なんですか」

「今日はもちろんトマトづくしだけどもちろん構わないよね。と、言ってもトマトしかないけど」

「そう言うと思いました。」

そこでシンジはまたため息を吐こうとしたが、中断されてしまった。
勢いよく店−ビストロアギト−のドアが開くと女の子が二人入ってきた。
と言うよりも、ひとりは無理矢理連れ込まれてきたという方が正しい。

「こんばんわぁ。エリカまた、ごちそうになっちゃいに来ましたぁ。」

「おまえは、デザートが目的だろう。」

「えへへへへ、それ言われちゃうとエリカ困っちゃいます。と、言うわけで今日の料理は何ですか?お魚ですか?お肉ですか?それともやっぱりプリンですかぁ?あーんエリカはプリンだったらお空の果てまで飛んでっちゃうくらいうれしいです。」

エリカは身振り手振りを交えながらこの幸せをこの場にいるみんな−と言ってもエリカを入れても4人だけ−に伝えようとする。

「プリンをどうやって食材に使うんだよ。」

ロベリアの適切な突っ込みが入る。

「だって、プリンの揚げ物が有るんですよ。だったらプリンフォンドやプリンカレーやプリン丼とかプリン茶漬けが有っても良いじゃないですか。」

「よくないよ。大体なんなんだよ。プリンフォンドって。」

エリカの脳内料理メニューを差し出されても、もちろんロベリアはそんなものに下手物料理にシンパシーを感じたくなかった。

「えぇぇぇぇー、ロベリアさんそんなことも知らないんですか?パンを暖かいプリンに漬けてこうくるくるーってその中で回しましてパンに絡めたプリンを味わうんですよ。あぁ、エリカ想像しただけでも幸せです。あぁ主よ私は感謝します。」

身振り手振りでプリンフォンドのことを説明するどこまでもどこまでも脳天気なエリカに翔一は死刑宣告に近い事を言った。

「でも、今日は、トマトづくしですよ。」

その言葉を聞いたとたん、座っていたイスを倒し脱兎のごとく逃げ出そうとする。
が、しっかりとその腕をロベリアが掴む。
その顔は、実にうれしそうだった。

「くっくっくっくエリカ、トマトは栄養が有るから体にいいんだぞ。」

「ひぃぃぃ、そんなこと有りません。トマトなんて悪魔の食物食べたらエリカ死んじゃいます。」

そう言うとあくまでも逃げようとする。
しかし、そんなエリカをロベリアが後から羽交い締めにして無理矢理席に座らせどこからか取り出したロープでイスに縛り付ける。

「はぅぅぅ、エリカ大ピンチです。」

そう言うと椅子に縛り付けられてもなおジタバタ動いて抵抗をする。
ゆらりゆらりと揺れる椅子はやがておもいっきり後に倒れた。
椅子に手足を固定されたまま。
意識が薄れゆく中で彼女は空から大きなトマトが落ちてくる幻覚を見てこういった。

「空が、空が落ちてくる。」

もちろんその言葉を理解できた人はその場にはいなかった。


EG FANTASY 〜たぶん伝説へ〜(仮)  第3新東京市で萌えてるか

第2話
ジャッカー再生・・・その名はゲドジャッカー

第三新東京市の地下約1000メートルの場所で蠢く悪の組織ゲドジャッカー
その首領キールは憂鬱な日々を送っていた。
憂鬱な原因は自分の組織であった旧ジャッカーを壊滅に追いやったのがたった一人の行いだということ。
さらにキールに追い打ちをかけたのが、その人物が大人でないことだった。
良くないことは続くようで研究部隊の長ともいえるそしてヘルDr.赤城親子がいなくなったことだった。

「ゲェンドウよ。」

偉大なる首領キールがゲンドウを呼ぶ。

「は、偉大なる首領キール」

ゲンドウは暗闇から現れると片膝をつき頭を垂れた。

「ゲンドウよ我が新生ジャッカー、いやゲドジャッカーの復旧状態はどうか?」

「残念ながら現在の復旧状態は10パーセントも進んでおりません。」

その言葉にキールは方眉を上げる。
少し怒っているようだ。
そんな彼の前に床からスイッチが迫り上がってくる。
ちょうど胸の高さまで上がると止まった。

「ヘルDr.赤城親子もおそらく落盤事故で死んだ。人手が足りないのは分かっているが・・・・ゲンドウよ。あまり私を失望させるなよ。」

その言葉にゲンドウは身を震わせ顔を上げる。

「お待ちください。偉大なる首領キール。」

「聞く耳持たぬわ」

キールは格好を付けたつもりで優雅に人差し指でそのスイッチを押す。
凄まじい電気ショックがゲンドウだけでなくキールをも直撃した。
え、偉大なる首領キールも?
どうやらその部屋は非常に重大な設計ミスがあったようだった。
偉大なる首領キールと暗闇の中に潜んでいた幹部そして、100人ほどいた戦闘員にも平等に強烈な電撃を受けた。
薄れゆく意識の中で偉大なる首領キールは自分のレベルが上がった音が聞こえた。
ゲンドウは目から水があふれ出した。
涙というのは分かっていたし、あふれ出した理由も分かった。
しかし、彼はそれを認めたくなかった。
 
 

場所が変わり同時刻の地上の第三新東京市

晴れた空の下で教会の鐘が鳴る。
そのドアの前に真っ白なタキシードに身を包んだ大神とベールに顔を覆われて誰か分からない新婦がいた。
エリカはいつもの赤い服を着て大神の前にいた。

「エリカ君、僕たち結婚したよ。パリの恋人である君にはたまに不倫をしに会いに行くよ。」

大神の衝撃的発言にエリカはショックを受け記憶が飛びかける。

「え、ええぇぇぇぇ」

翔一が言う。

「おやおや、隊長さんなかなか言いますね。にしても花嫁さん。いやぁきれいですね。張りといい艶といい。ホント食べちゃいたいぐらいですよ。」

ロベリアが言った。

「くっくっく。私が隊長のことをあきらめさせらるぐらいだからそんなことはあたりまえだろう。」

コクリコも言う。

「イチローおめでとう。やっぱイチローにはエリカなんかじゃ釣り合わないよ。」

神父が言った。

「それでは愛し合う二人は誓いのキスを。」

「がーーーーーん」

大神が新婦のベールを上げる、とその下から現れたのは真っ赤に熟れたトマト。
エリカの口から言葉みたいな音が漏れた。

「xdふぁgう゛ぁれざgぺrbgjこいえjが;う゛ぉ」
 
 

また、場所が変わり惣流キョウコの部屋の中

アスカの母親は20歳と96ヶ月・・・・つまり28なわけで14歳でアスカを出産した。
シンジの前には何故か裸の彼女が居て抱きしめられていた。
実はシンジのファーストキスはキョウコでセカンドもサードもキョウコだった。
そして、シンジは今貞操の危機に陥っていた。

「それじゃシンジ君のレベルが9500になったお祝いとして・・・・・夜の経験値も稼いでレベルアップしようね。」

そう言うとキョウコは邪気のない顔で微笑んだ。
少年は魅了され動くことがかなわなかった。

碇シンジはレベル9500という地上では、もっとも神に近い男だったが。
夜のレベルはお子さまと言われる3だった。

 

 

第二話了


・・・と、いうわけですかじいさん、待望の第二弾のご投稿どうもありがとうございました!
しかしまあ何と申しましょうか、この調子で参りますと次は『イエローカード』を危惧する反面、
この先一体どうなるんだってのが気になるばかりの面白さを感じてしまう故に、
もう何の制限も加えずに思いっきりやっちゃって欲しいとも感じる、そういう点でも凄ェ続編でした。(爆)

・・・というわけで皆様、SCSI−10000さんに是非ご感想と「続き」の催促を!!!




・・・でもエロエロ18禁についてはウチはマジでダメっすよ。(笑)