『仮説雑貨商』9,000ヒット到達記念投稿作品





超不定期連載
おしえて碇君
〜綾波の不思議質問記〜

 

6時限目前の休み時間・・・・この短い休みがもう少しで終わる。
面白くもない授業を受け続けた疲れから(本当は昨夜、赤い髪の女の子の妨害工
作による寝不足)でシンジは疲れていた。
そんなシンジを誰かが呼ぶ。

「碇君」

でも、シンジは気づかない。

「碇君」

それでも気づかない。

「碇君、碇君」

赤い目の女の子はゆさゆさとシンジを揺さぶりながら呼ぶ。
カクカクとシンジの頭が揺れる。
・・・・それでも気づかない。
女の子はシンジの頬を両手で押さえると・・・・シンジの唇に自分の唇を押しつ
けようとした、が出来なかった。
少し女の子の機嫌が悪くなる。

「碇君、起きてるなら早く返事をして。」

シンジは彼女の背中から迫力のある音が聞こえたような気がした。

「ごめん、昨日アスカが寝させてくれなくて・・・」

彼女、綾波レイの背後から笑えない冗談とのあとに下品な笑い声が聞こえてきた。
一応側にいたメガネ君が綾波に都合が良い方(真実)へフォローする。
それを聞いた綾波は素早かった。

「目標をセンターに入れてスイッチ」

そう言うと近くにあった花瓶を掴み投擲する。

「それ僕のせりふだよ。」

シンジは小さくつぶやいたが、大阪弁を使う友人の叫び声でかき消された。
なにかすっきりした顔でシンジに質問してくる。

「碇君に質問があるの。」

「僕に質問?」

シンジが返事をすると、綾波ははにかみながら小さく2度頷く。
綾波がシンジに質問がある。
シンジは自分なんかに質問があるということに少し緊張した。
きっと、赤城博士にもいえないとても大切なことなんだ。
シンジは、自分を落ち着かせると綾波と正面から向き合った。

「で、どうしたの。綾波が僕なんかに質問なんて・・・。」

すると、レイは目に涙を溢れさせるとシンジに抱きついた。
ちなみに委員長は赤毛の友人とトイレに行っていたため、フラグがたったてもお決まりのイベントは発生しなかった。

「僕なんかなんて言わないで。碇君は、碇君は私の・・・・」

そこまで、言ったときシンジは勢いよくレイを引き剥がしてこういった。

「あ、あ、あ、綾波・・・・僕に質問ってなんなの?」

シンジにそう言われて少し寂しそうな顔をするが気を取り直してシンジに質問を
した。

「碇君・・・GAOレンジャーに惣流さんが出てないのはどうしてなの?」

「は?」

シンジの脳味噌にブルースクリーンが出てくる。
数秒間固まり・・・・きっかり5秒後再起動した。
鼻先を人差し指で掻く。

「質問の意味がよく分からないんだけど。」

「GAOレンジャーに惣流さんが出てないのはどうしてなの?」

「あう。」

「ねぇ。」

「えーと、違う番組だからじゃないのかな?」

「そうなの?」

「アスカは確かにそういうの好きだけど。そうそうは出られないよ。」

「そう、そうなのね。だからGAOモンキーは出てこなかったのね。」

「え?」

「そう、そうなのね。」

もう、レイの耳にはシンジの言葉は入ってこないようだ。

と、そこにアスカが戻ってくる。
レイは、彼女を見ると唇の端を引き上つりげた。

「な、なによあんた。」

しかし、レイは何も答えてくれなかった。
そのまま教室の出口に向かう。
一歩足を踏み出すと振り返りこういった。

「惣流さん。いえ、GAOモンキー。残念ね。」

「意味が分からないけどむかつくわね。」

そんなアスカを無視してレイは姿を消した。

「うきー!!!」

意味不明の雄叫びを上げるとアスカは全速力でレイを追尾していった。
この場にいない二人に対して一応シンジは声をかける。

「2人ともまだ6時間目残ってるよ。」

そこで6時限目が始まるチャイムが鳴る。
綾波とアスカは帰ってこない。
困った顔をした委員長の号令がかかる。
席に着くと碇シンジはゆっくりとめを閉じた。
実に平和な社会科の授業が始まった。

おわり



 
 



警告!!
定番カヲルネタ嫌いな人はこれから下は読まないように


だって、ホモネタですもん



 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

カヲルの一人芝居ですが・・・・・・












おまけ
Vol.1−五月五日は子供の日の巻−

やぁ、みなさんシンジ君のお口の恋人こと、渚カヲルです。
五月五日は子供の日・・・・まぁ男の子日なんだよね。
ライトに照らし出される手作りの土俵
それを、ぬるくなった菖蒲湯につかりながらカヲルは見る。
相撲を取り汗をかく、そして自然に風呂に入る・・・・・作戦は完璧のはずだった。
だが、シンジは居ない、来てくれなかった。
ひとりぼっちの子供の日は過ぎていった。





す、すかじいさん、どうも記念投稿ありがとうございました!(汗)
全く、いつもながらの軽妙なノリが炸裂しっぱなしと申しましょうか、
淡々とした語り口調故に発生する読み手の油断を平気で裏切るような
油断無き面白さを読み手として感じるような一品でございました(笑)

・・・てことで皆様、今回も堂々と<連載>と銘打たれている心意気を組むためにも
SCSI−10000さんに是非ご感想と「続き」の催促を!!!